WordPressをマルチサイトにする(事前調査・検討編)
WordPressによるマルチサイトの構築前に注意すべき点や、メリットについてのポイントです。
マルチサイトの運用が容易にできるMovableType(ムーバブルタイプ)と同じように、WordPress(ワードプレス)でもマルチサイトを構築することができます。
ワードプレスでも簡単にマルチサイトを構築できますが、マルチサイトでは利用できないプラグインや、運営が煩雑になる場合もあります。
マルチサイトを構築する前に「カテゴリーやカスタムタクソノミーで対応できないか?」を検討したほうが良いでしょう。
サーバ内に複数のワードプレスを導入するケースも多くあります。
複数のホームページ、さらにホームページごとにブログがいくつも用意する必要がある大規模なサイト構成・運営を予定している場合は、初期費用はかかりますがMovableTypeでの構築がお薦めです。
マルチサイトを構築するメリット
マルチサイトを構築するメリットとしては下記があります。
- 1つのデータベースで複数のブログを構築できます。
- テンプレートを管理しやすくなる。
ヘッダーやフッターなど共通するデザインがあればテンプレートを管理しやすくなります。 - プラグインが管理しやすくなる。
プラグインを一括有効や、ブログごとに有効・無効にすることができます。 - ユーザー数が多く、ブログごとにユーザー管理したい場合。
- 複数のブログを横断して検索できる。
- ブログごとにカスタムフィールドのデータを読み込んで表示させることができる。
マルチサイトでは使えないプラグインもある
マルチサイトに対応していないプラグインや、誤作動するプラグインもあります。
プラグインがマルチサイトに対応しているかを事前にチェックする必要があります。
別ドメイン、サブドメインとディレクトリどちらに構築するのか?
マルチサイトは「別ドメイン」「サブドメイン」「ディレクトリ」どちらにも構築することができます。
ただし、すでにワードプレスを運営している場合は、サブドメインのみとなります。
ディレクトリにインストールしたい場合は、記事の投稿日を全て一ヶ月以内に変更するとディレクトリにインストールできます。
一般的には「ディレクトリ」にマルチサイトが構築されます。
メンテナンスもしやすく、SEOにも有効な構築方法です。
ディレクトリの場合は「itti.jp/tokyo/」や「itti.jp/blog/」等となります。
サブドメインで構築する場合は、サーバーがサブドメイン対応になっていることが前提条件となります。
サブドメインで構築するケースは、各ホームページ(ブログ)の関連性が低いケースです。
例えば「デザイン事業」と「飲食業」をおこなっている企業の場合、それぞれのホームページは、サブドメインで構築するのが一般的です。
サブドメインの場合は「tokyo.itti.jp」や「blog.itti.jp」等となります。
複数ドメイン対応のサーバやVPSサーバの場合は「別ドメイン」にマルチサイトを構築することもできます。この場合はプラグイン「WordPress MU Domain Mapping」を利用します。
別ドメインであっても、カスタムフィールドやタームの情報を共有することができます。
すでに運営しているワードプレスはサブドメインのみ利用可能
すでに運営して1ヶ月以上経過しているワードプレスをマルチサイトにしたい場合は、サブドメインのみ利用可能となります。
ディレクトリにマルチサイトを構築したい場合は、投稿した記事の日付を一ヶ月以内に変更するとサブディレクトリを利用できます。
または、記事をエクスポートして、記事を全て削除してから、マルチサイト後に記事をインポートする方法もあります。
マルチサイト前のよくある質問
Q:アップロードした画像は各ブログで使えるか?
メディアライブラリの画像を共有することはできません。
もちろん、画像のURLを投稿に記入して画像を表示させることはできます。
Q:各ブログを横断して検索できるか?
横断検索はできます。マルチサイトならではのメリットです。
検索プラグインの場合、横断検索に対応していないプラグインもあります。
Q:テンプレートの共有は?
親ブログのヘッダー、フッターなどのモジュールを小ブログのデザインにも使うことができます。
例えば、ヘッダー、フッターが共通する場合、小ブログのテンプレートにheader.phpやfooter.phpは不要になります。
Q:小ブログのカスタムフィールドの情報を親ブログや小ブログに表示できるか?
可能です。
カスタムフィールドや、タクソノミーのデータを別ブログに表示させることができます。
Q:マルチサイトを止めたら記事や画像はどうなる?
マルチサイトをシングルサイトに変更することは可能です。
記事や画像も消えることはありません。
記事のカテゴリーも引き継がれますが、URLは変わります。
ブログに挿入した画像のURLやリンク先も変わってしまうため、リンク切れのチェックが必要となります。
WordPressマルチサイトの構築方法に続きます