SSLを導入したホームページのメリットとデメリット
ホームページのSSL化が進んでいます。SSLの仕組みや種類、SSLのメリット、デメリット、費用などを分かりやすく解説します。
SSLとはSecure Sockets Layerの略で、インターネットのセキュリティを高めるために暗号化された通信方法のことです。
現在、利用されている暗号化通信はSSLの技術を改良した「TLS(Transport Layer Security)」となっていますが「SSL」と呼ばれることがほとんどです。
以前はSSLを利用する場合、年間20,000円~150,000円ほどしており、SSLを導入しているのはクレジットカードを取り扱うECサイトや、大手企業サイトがSSLを導入していました。
現在は、格安のSSLや無料のSSLが増えてきて、手軽にSSLを導入することができるようになりました。そのため多くのホームページでSSLの導入が進んでいます。
今回は、SSLのメリット、デメリットや、SSLを導入した後のことなどを分かりやすく解説いたします。
SSLの料金や種類、SSLのタイプ
SSLの導入を検討する前に、SSLの種類や料金などをご説明します。
SSLはなぜ安全なのか
SSLは、通信が暗号化されるだけではありません。
SSLの導入には認証局がホームページの所有者を確認した上で「SSL証明書」が発行されます。これにより、ホームページの所有者や通信相手を偽ることが難しくなります。
サイトシールとは
ホームページがSSLによる暗号化通信が行われていることを証明し、SSL証明書の詳細を表示するシールのことです。
サンプル
サイトシールをクリックすると、SSL証明書の詳細を表示させることができます。(※サンプルは画像です) サイトシールをクリックしても詳細が表示されない場合は単なる画像です。不正なホームページの場合もあります。
SSLのプランによってはサイトシールが発行されないプランもあります。 サイトシールが必要な場合は、サイトシールが発行されるプランで契約する必要があります。
サイトシールがあることで、ユーザーに信頼性が高いことをひと目でアピールできます。そのためクレジットカードを取り扱うECサイトや、個人情報を取り扱う求人サイトなどはでサイトシールが利用されます。
サイトシール付きSSLは、年間5,000円から利用できます。
SSLの種類には独自SSLと共有SSLがあります
SSLには独自SSLと、共有SSLがあります。
独自SSL
ドメインに対してSSLが設定されます。 一般的にSSLと言えば、この独自SSLのことです。
企業のホームページや、ECサイト、求人サイトなどに利用されるSSLです。
共有SSL
複数のユーザーが利用できるSSLのことです。 SSL証明書はホームページではなくサーバにあります。
SSL証明書を取得するための手続きや暗号化キーの設定などは不要ですが、独自ドメインの利用はできません。
無料のブログサービスや無料のホームページサービスに利用されることが多いSSLです。
SSLの認証レベルと料金の目安
SSL証明書には「ドメイン認証タイプ」「企業認証タイプ」「EVタイプ」の3つの認証レベルがあります。
ドメイン認証タイプ
ドメインの所有権を確認するシンプルな認証レベルです。 手続きも簡単でSSL証明書は即日で認証されます。
料金は無料から利用できます。
企業認証タイプ
ドメインの所有権の確認だけではなく、実在する企業かも確認される認証レベルです。 SSL証明書の申請には、法人の印鑑証明書や登記簿謄本、書類の提出が必要となり、SSL証明書が発行されるまで時間がかかります。
料金は年間10,000円程度から利用できます。
EVタイプ
企業認証タイプをより厳密にした認証レベルです。 企業認証タイプとほぼ同じですが、ブラウザのアドレスバーに企業名が表示されるため、より信頼性をアピールできます。
料金は年間25,000円程度から利用できます。
SSLを導入したい場合は、無料のSSLが利用できる「ドメイン認証タイプ」がお薦めです。
クレジットカード情報を取り扱うECサイトや、個人情報を取り扱う企業、学校、病院、求人などのホームページには「企業認証タイプ」「EVタイプ」がお薦めです。
SSLのメリット、デメリット
以前はSSLを導入すると「ガラケーの機種によってはエラーになる」「ホームページの表示速度が遅くなる」「お問い合せができないユーザーがいる」などの障害がありました。
現在はそのような障害はほとんどなく、デメリットよりメリットのほうが多くあります。
SSLのデメリット
SSLにはいくつかのデメリットがあります。 以下の点を知った上でSSLの導入を検討してください。
URLが「HTTP」から「HTTPS」に変わる
SSLを導入したホームページのURLは「HTTP」から「HTTPS」に変わります。
当社ではリダイレクトで、旧URLの「HTTP」にアクセスしても自動的に「HTTPS」へ遷移させるようにします。
名刺や封筒にURLを記載している場合は修正する必要がありますが、リダイレクトしているので旧URLが記載されたままでも問題はありません。
ソーシャルメディアのカウントがリセットされる
URLが変わるため、Facebookの「いいね」やTwitterのカウントがリセットされます。
そのため、できるだけ早くSSLに対応することをお薦めします。
イニシャルコスト、ランニングコストがかかる
SSLを導入する際には、ホームページの修正が必要となります。当社では管理費内でSSL導入の修正をおこなっていますが、一般的には費用がかかります。
また、有料のSSLを導入する際にはSSLの契約費用と年間費用のほか、登記簿謄本の取得などが必要となる場合もあります。
無料のSSLを導入した場合は、ランニングコストはかかりません。
一部のツールやパーツ、広告が表示されなくなる
HTTP(SSL非対応)のツールやパーツ(ブログパーツなど)、広告が表示されなくなります。
ホームページに広告やパーツを取り入れていない場合は問題ありません。
表示速度が遅くなる
ユーザーがSSL化しているホームページにアクセスすると、SSLの認証を確認するため表示速度が遅くなります。 表示速度が遅くなるといっても体感できるほど遅くはなりません。
SSLのメリット
SSLを導入することで多くのメリットを受けることができます。
表示速度を早くすることができる
通信効率を改善する「HTTP/2」を導入できるため、ホームページの表示速度が早くなります。
サーバによっては「HTTP/2」が利用できないサーバもあります。 当社のサーバは「HTTP/2」に対応しています。
セキュリティと信頼の向上
通信が暗号化されるため、ユーザーの情報が第三者に漏れるリスクが低くなります。
サイトシールが利用できるSSLを導入すると、ユーザーの安心と信頼を得ることができます。
SEOで有利になる
GoogleはSSLを導入してるホームページに対して、検索ランキングで優遇するとアナウンスしています。
ランキング要因に大きく影響することはありませんが、非SSLのホームページより、SSLに対応しているホームページの方が上位に表示されやすくなります。
アクセス解析の精度が向上する
非SSLのホームページの場合、SSL対応のホームページからのリファラー情報を得ることはできません。
リファラー情報を受けることができないため、参照元を正確にカウントすることができず、GoogleAnalyticsの場合、参照元が「no referrer」としてカウントされて表示されます。
SSLを導入することで、SSL対応・非SSLの両方のホームページからのリファラー情報を得ることができます。
SSLの導入でよくあるご質問
SSLについてよくあるご質問と回答です。
SSLを止めることはできるのか?
いつでもSSLを止めることはできます。 SSLを導入して問題が発生した場合は、非SSLにすることができます。
メールの再設定は必要か?
メールの再設定は不要です。クライアント様が何かすることありません。
無料のSSLと、有料のSSLの違いは?
セキュリティの強度は無料、有料どちらも変わりがありません。
無料SSLの場合は手続きが簡単で、即日SSLを利用できます。
有料SSLの場合は、法人の場合は登記簿謄本や印鑑証明書などの書類が必要となる場合があります。提出した書類が審査されるため、SSL証明書の発行に数日かかることがあります。
有料のSSLを使う理由は?
サイトシールを利用できるのが大きなメリットです。 サイトシールを表示することで、ユーザーへ安全なサイトであることを視覚的にアピールできます。
無料のSSLはサイトシールは利用できません。
有料のSSLは厳密な審査が行われてSSL証明書が発行されるため信頼度は高くなります。サイトシールを発行することも可能です。
無料のSSLは審査がないため、有料のSSLに比べて信頼度は劣ります。
SSLの価格が違うのはなぜか?
SSLのタイプによって価格が異なります。
EVタイプのSSLは高額ですが、ブラウザのアドレスに企業名が表示されるのでユーザーに安全であることを視覚的にアピールすることができます。
同じEVタイプのSSLでも認証局によって価格は大きく変わります。
セキュリティに違いはありませんが、どの認証局が発行したSSL証明書かで価格が違ってくるわけです。
認証局のブランドを気にしない場合は、価格やサイトシールの見た目などで決めても問題はありません。
SSLは導入すべきか?
将来的には全てのホームページがSSL対応となります。
そのため、できるだけ早くSSLを導入した方がメリットを受けることができます。
当社のクライアント様のSSL化は100%となっています。早い段階からSSLを推奨して導入していますが特に問題は起きていません。
SSLが未対応の方は、無料のSSL、低価格のSSLからの導入をお薦めいたします。