GLOSSARY
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消費者心理
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AIDMA
AIDMA(アイドマ)とは、消費者が商品、サービスを購入するまでに至る行動のプロセスの一種です。
アメリカのローランド・ホールが「消費者行動」で提唱したプロセスです。下記の頭文字から取り、AIDMA(アイドマ)と呼ばれます。
- Attention(注意)
サービス、商品を認知します。 - Interest(関心)
サービス、商品に関心を持ちます。 - Desire(欲求)
サービスを利用したい、商品が欲しいという欲求が生まれます。 - Memory(記憶)
サービス、商品が消費者の記憶に残ります。 - Action(行動)
サービスを利用する。または商品を購入する。
AIDMAの行動は3つのプロセスに分けられます。
- 認知段階:Attention(注意)
- 感情段階:Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)
- 行動段階:Action(行動)
インターネットでは「認知段階」は、バナーやリスティング広告、DM、メルマガの広告などが該当します。
見込み客であるユーザーに的確に広告を表示させ、さらにクリックしてもらうためのキャッチコピーやデザインのクリエイティブが必要になります。
次に「感情段階」に訴えるのが、クリック先のランディングページになります。
ユーザーにサービス・商品に関心を持ってもらい、欲求を刺激できるかが重要になります。ネットでサービス・商品の購入(申し込み)ができる場合は、即、行動を起こしてもらうためのキャッチコピーや特典、購入のしやすさ(決済の多さ、入力フォームの最適化など)が重要となります。
このように3つのプロセスにはそれぞれ大きなハードルがあるのが分かります。
この3つのプロセスをユーザーに超えてもらうためのクリエイティブや最適化が重要となります。
- Attention(注意)
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AISAS
AISAS(アイサス)とは、AIDMA(アイドマ)に変わる新しい消費者行動のプロセスです。
インターネットの普及によって検索エンジンや掲示板、ブログ、ソーシャルネットワークなどの利用が増え、消費者行動のプロセスも変化しました。
そのため消費者は、従来のAISASとは違うプロセスによって商品を購入しています。
AISASの消費行動プロセスは下記になります。
- Attention(注目)
ユーザーが、商品・サービスを認知。 - Interest(関心)
- Search(検索)
インターネットで商品・サービスを検索して商品・サービスの特徴を調べる。 - Action(行動)
調べた結果、商品・サービスが良ければ購入。 - Share(共有)
インターネットの掲示板、ブログ、ソーシャルネットワークなどで商品・サービスについての感想を書き込み、他のユーザーと情報を共有する。
AIDMA(アイドマ)とは異なるのは、Desire(欲求)、Memory(記憶)がSerch(検索)になっています。
さらに、Action(行動)の後に、Share(共有)するプロセスが追加されています。また、AISAS(アイサス)のプロセスを補完するAISCEAS(アイシーズ)があります。
- Attention(注目)
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AISCEAS
AISCEAS(アイシーズ)とは、AISAS(アイサス)の考えを補完するものです。AISAS(アイサス)にComparison(比較)と、Examination(検討)のプロセスが加わっているのが特徴です。
- Attention(注目)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(行動)
- Share(共有)
インターネットでは商品・サービスの性能、価格などの比較検討が容易に行えることから、Comparison(比較)と、Examination(検討)が追加され、より詳細な消費者行動のプロセスとして考えられてます。
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FGI
フォーカス・グループ・インタビュー(Focus Group Interview)の略で、定性調査の一手法です。
5~6人の対象者とモデレーターと呼ばれる司会者とで、座談会形式でインタビューします。
複数人が会話しながら意見を出し合うため、意見も活発になり、多くの情報を収集しやすくなります。ただし、グループの中に個性や主張が強い対象者がいると、他の対象者の意見にも影響を与えることがあります。
また、モデレーターの役割も重要です。
対象者が本音を言いやすい雰囲気や、意見にベクトルが働かないようにしたり、中立な立場で対象者に配慮しつつ、意見が活性化するようにハンドリングする必要があります。
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アンカリング
印象に残った数値が基準となり、その後の判断基準となる心理傾向のことです。
例えば、最初に提示された商品の金額が100万円の場合、その金額が判断基準(アンカー)となり、その次に提示された80万円の商品が「安い」と感じます。
バーゲン商品の値札に「30,000円を10,000円」と、通常価格と割引価格が書かれているのもアンカリングの効果を取り入れた手法です。
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イノベーター理論
イノベーター理論とは、商品やサービスの拡がりを5つに分類した理論です。
新商品が発売された時に「どのような人が購入するのか」「どのように商品が普及していくのか」をタイプ別に分類したものです。
- イノベーター (Innovators:革新的採用者) 市場全体の2.5%
新しいモノを積極的に利用したり、採用する人。商品の新しさを重視する人。 - アーリーアダプター (Early Adopters:初期少数採用者) 市場全体の13.5%
流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する人。他の消費層への影響力もあり、「オピニオンリーダー」とも呼ばれます。 - アーリーマジョリティ (Early Majority:期多数採用者) 市場全体の34.0%
比較的慎重で、平均より早く新しいモノを取り入れる人。「ブリッジピープル」とも呼ばれます。 - レイトマジョリティ (Late Majority:後期多数採用者) 市場全体の34.0%
周囲が利用しているのを見てから同じ選択をする人。「フォロワーズ」とも呼ばれます。 - ラガード (Laggards:採用遅滞者) 市場全体の16.0%
流行や世の中の動向に関心が薄い人。
16%の溝:キャズム
新商品・サービスを積極的に採用するイノベーターとアーリーアダプターは、他の消費者への影響が多いことから、次の消費者へと広がるための分岐点となります。
しかし、イノベーター、アーリーアダプターと、アーリーマジョリティとの間には容易に超えられない溝(キャズム)があります。
このイノベーターとアーリーアダプターを足した16%の溝(キャズム)を超えられない場合は市場から消えて行きます。 - イノベーター (Innovators:革新的採用者) 市場全体の2.5%
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ウェブルーミング
購入する商品の情報をインターネットで調べてから、実店舗で商品を購入する購買行動のことです。
「ショールーミング」とは逆の購買行動になります。消費者のウェブルーミング
消費者がウェブルーミングを行うケースとして以下の点が挙げられます。
- 商品をすぐに手に入れることができる
- 実際に手にとって確認したい
- 送料を払いたくない
- 実店舗だけの特典やサービスを受けることができる
- ネットでは分からないことを店員に確認できる
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オノマトペ
状態や感情などを音で表現する擬態語のことです。
ざっくり、ほっこり、もっちり、トロトロ、ドキドキ、など。
広告では主にキャッチコピーに用いられます。
「外はカリッ!中はトロ~リ」
「休日は温泉でホッコリ」
「サクッ、パリッ、ひんやり」日本は擬態語が多いと言われており、日常の会話でもよく使われています。
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カスタマー エクスペリエンス
カスタマー エクスペリエンスとは「顧客経験価値」のことです。
「CX」と略されることもあります。消費者は商品を購入する時に「安く買える」「新しい商品を知る」など、さまざまな経験をしています。この顧客が体験する経験を価値としたのが「カスタマーエクスペリエンス」です。
例えば、ユーザーはホームページを回遊している時にさまざまま経験を得ており、ユーザーにとってマイナスの経験とならないように、ユーザビリティ、リーダビリティ、ファインダビリティなどを改善しながらカスタマー・エクスペリエンスの向上を図ることが重要となります。
5つの経験価値
カスタマーエクスペリエンスとして下記の5つの経験価値が挙げられます。
- 知覚的経験価値(Sense)
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触感の五感を通して顧客の感覚に訴える。
飲食店からの香り、店舗デザイン、商品陳列、リラクゼーション・サービス、音響効果など。 - 感覚的経験価値(Feel)
顧客の感情に対して訴える。
丁寧なサービス、話し方など顧客からの信頼を得る。 - 創造的経験価値(Think)
顧客の知性や好奇心に対して訴える。
商品のコンセプトや、企業の理念などを顧客に伝え共感を得る。 - 行動的経験価値(Act)
行動、身体、ライフスタイルに訴える。
新しい食生活、通勤時間の利用方法など新しいライフスタイルの発見、提案。 - 準拠集団(Relate)
集団、グループへの帰属意識に訴える。
エコロジー、ボランティアの活動、参加意識。ブランド品を所有する喜びなど。
- 知覚的経験価値(Sense)
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帰納法
帰納法(きのうほう)とは、集積したデータから因果関係を推論して結論を導く方法です。
例えば「果物のリンゴは甘い」「果物のイチゴは甘い」「果物のメロンは甘い」「野菜のニンジンは苦い」「野菜のピーマンは苦い」というデータを集積して検証します。
このデータからは「果物は甘い。野菜は苦い」という結論が導き出されました。
帰納法は統計を知ることができるため「一般的に果物は甘く、野菜は甘くないと言われます」という言い方をする時には便利です。
しかし、集積した結果はあくまで統計論にすぎません。
「果物のキウイフルーツは甘くない」という事実が新しく追加されただけで「果物は甘く、野菜は苦い」という結論は崩壊してしまいます。 -
クリック・アンド・コレクト
オンラインで購入した商品を自宅以外の場所(店舗や宅配ボックスなど)で受取る購買行動のこと。またはサービスのことです。
自宅で商品を受取ることができない場合、通勤・通学の途中で商品を受取ることができます。
実店舗で受け取る場合は送料がサービスになることもあり、消費者にもメリットがあります。欧米のマーケットではクリック・アンド・コレクトにより、売上を伸ばしている小売店も多くなっています。
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行動ターゲティング広告
ユーザーが訪れたホームページや検索したキーワードの履歴情報から、ユーザーの趣味、嗜好にマッチした広告を配信することができます。
例えば、環境問題に関するホームページを閲覧しているユーザーが「車」を検索した場合に「ハイブリットカー」の広告を配信することができます。
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コントラストの原理
対比させることで印象が変わる心理のことです。
例えば「5万円」の値札が付いた商品があります。
ここに「通常価格10万円」と書くと、消費者は「安い!」と思います。1,000万円の商品を購入した人に、10万円のオプションを勧めると「1,010万円だから」と10万円のオプションが高くない印象を与えることができます。
不動産業者が初めに粗悪な物件から紹介するのも、コントラスト効果を消費者に与えて物件を決めやすくするためです。
このようにコントラストの原理はさまざまなシーンで利用されています。
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ショールーミング
店舗で商品を確認して、値段の安いネットショップで商品を購入する消費者行動のことです。
スマートフォンの普及で情報収集がおこないやすくなり、実店舗の商品の前でオンラインショップとの価格比較をスマートフォンから容易にできてしまう状況が、ショールーミングが広がった背景にあると言われます。
また、アメリカの調査会社の調査では、初めは実店舗での購入を予定して店舗に足を運んだがオンラインショップで購入した購買者が65%も存在していることが分かり、実店舗でいかに消費者に魅力ある提案をするかが実店舗が生き残るカギとなっています。
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定量調査
定量調査とは、主に「傾向」や「全体像」を把握する時に利用される調査方法です。
例えば、アンケートで下記のような質問をします。
質問:「スポーツジムを利用する時間帯は?」
回答:「18時~19時」このような調査結果から利用者の多い時間帯が数値化(グラフ化)されて、全体像を把握しやすくなります。
定量調査に不向きな調査
利用者の「購入理由」や「商品を利用した感想」などの調査には不向きです。
この場合は「定性調査」でデータを収集します。ホームページではアクセスデータが「定量調査」となります。
定量調査で気をつける点
定量調査で調査対象者が狭い場合、そのデータは歪んだデータになることがあります。
調査データが数値化されるため「調査データの説得力」が強すぎて、思考やアイデアがデータに縛られてしまう場合があります。
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定性調査
定性調査とは、対象者から直接話を聞いたり、感想や意見を書いてもらい、その回答データからユーザーのニーズを調査する方法です。
定量調査のように数値化されにくく、調査、解析に労力が必要になりますが「商品購入理由」や「商品についての詳しい感想」などを知ることができるため、商品開発、改善のヒントになります。
ホームページの制作・分析の定量調査は、下記の内容が挙げられます。
- ヒューリスティック評価
- ユーザビリティテスト
- ユーザーインタビュー
- 競合調査
- コンテンツ分析
定性調査で気をつける点
ホームページの改善やリニューアルの際に、ユーザーのアンケートを基に改善、リニューアルをおこなってしまうことがあります。
しかし、ユーザーの多くはインターフェイスの専門家ではなく、個人の好みを言っていることが大半です。そのため、ユーザーの好みを取り入れたとしても改悪となる場合もあります。
ユーザーの意見から真意や意図を読み取って、ホームページの改善、リニューアルをおこなう必要があります。
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デモグラフィック
デモグラフィックとは「人口統計」のことで「年齢」「性別」「所得」「職業」などに関するデータのことです。
デモグラフィック・データは比較的入手が簡単です。
総務省統計局のホームページで国勢調査のデモグラフィック・データを閲覧することが可能です。 -
バイラル マーケティング
バイラル マーケティングとは、いわゆる「口コミ」により商品、サービスなどを促進、奨励させるマーケティングのことです。
人から人へ伝播していくため「ウイルス」の形容詞である「バイラル」から名付けられました。
商品やサービスを利用した消費者が、ブログやソーシャルネットワークなどから、商品の感想を簡単に配信できるようになり、その情報を第三者が共有、拡散することも簡単になりました。
また、企業側からの広告より、利用者からの口コミの方が信頼度が高い場合や、拡散するケースも多くあります。
こうした口コミの影響力が注目されて、マーケティングにも取り入られるようになりました。
口コミが広がるには
消費者が口コミしたくなる商品、サービスの開発や、口コミの影響力を持っている消費者へのアプローチや、話題作りなども必要となります。
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バズ マーケティング
バズ マーケティングとは「口コミ」を利用したマーケティング手法の一種です。
噂や話題を人為的に作り出して、消費者やマスコミの注意を引き、とにかく話題にすることが目的です。
バズ マーケティングの6つのポイント
バズ マーケティングの第一人者であるマーク・ヒューズは「人々が話題としたくなる物語を提供すること」が重要として、下記の6つをバズ・マーケティングのポイントとして挙げています。
- タブー
- 変わったこと
- 突飛なこと
- おもしろいこと
- ずば抜けていること
- 秘密(暴露)
バズマーケティングとバイラルマーケティングの違い
バイラル・マーケティングはマスコミ、企業からではなく、個人のコミュニケーションから発生すること。
単なる話題性を目的としおらず、商品やサービスの促進、奨励が目的となっています。
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プロダクトライフサイクル
プロダクトライフサイクルとは、商品またはサービスの寿命を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」と4つのプロセスで説明するマーケティング用語です。
誰にも知られないまま「導入期」の段階で消えていく商品・サービスも存在します。「導入期」の段階でのプロモーション活動が重要になってきます。
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リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、ユーザーの履歴を基にマッチする広告を表示させることができます。
例えば、ECサイトでグッチの財布を閲覧したユーザーに、他のホームページでもグッチの広告を表示させることができます。
また、カートを放棄し他ユーザーに対して、より強いメッセージの広告を表示させることができます。